JAPAN BGM ASSOCIATION.

■会長挨拶

ごあいさつ
一般社団法人日本BGM協会 会長  山下哲男

 環境音楽-BGMの事業のルーツは1930年前後に欧米において建築音響装置の普及と共に音楽放送サービスが行われるようになったのがその始まりと言われています。

作業能率の増進が最上課題だった時代の生産現場では労働者が機械化と単純作業からくる労働疎外感を持つことが多く、その対策として環境音楽は見事に要請に応え、労働者の情緒回復に大きな成果を果たしました。

また、都市化の進展と共に巨大なビルや施設の駐車場からのコンコースなどのコンクリート空間がかもし出す無機的で沈うつな雰囲気の改善にも効果が認められ、その後、空港や交通機関など各種公共施設で定常的に活用されるようになりました。

さらに商業領域における環境演出メディア、プロモーション・メッセージとしても目覚しい発展・普及を遂げてきました。


 このようにBGMは労働環境の改善や社会空間の快適化に成果をもたらしながら、昨今ではより目的に応じたきめ細かいサービスの提供が求められています。

音楽自体がもたらす効果だけではなく、環境全体のコミュニケーション計画の中に位置づけられ、評価されるようになりました。

例えば従来の音声による連絡・伝達に代えて音楽やサウンド・ロゴで交代時間や特定作業の指示・連絡(ex.雨が降り始めた時のオペレーションなど)を行うような活用も進められています。


 現代社会においては、多様化されたニーズの中で多くの音響メディアと大量の音楽コンテンツが生活者の目の前にあり、ブロードバンド環境の普及と相俟ってどのような音楽も、望む時に、望む場所で入手できる状況になりました。

しかしながら大勢の人が集う公共的空間においては、環境特性に見合った音楽プログラムを提供できる知識や技術を持つBGM業者が今後も専門的なサプライヤーとしてその役割を担い、また求められて続けてゆくと確信しています。

私たちは豊富な経験と信頼で音と音楽による環境の快適化を進め、社会においてBGMが果たしうる可能性を追い求めてゆきます。


 私たち一般社団法人日本BGM協会は著作権をはじめとするコンプライアンスを忠実に守りながらBGMの正しい利用・普及に努めるとともに、健全な事業の発展をはかり、豊かで文化的な環境を創造することにお役に立ちたいと願っています。


一般社団法人日本BGM協会 
会長  山下哲男